昨年の能登半島地震で被災した石川県の輪島、珠洲、穴水の3市町で11日、1年遅れの「二十歳の集い」があった。若者たちは傷ついたふるさとの未来に向けて新たな一歩を踏み出すと誓い、地域の人たちが見守った。
輪島市の市立輪島中学校の体育館では、今年度21歳を迎える232人のうち125人が参加し、「集い」が開かれた。
「私たちがこれまで歩んできた人生は、多くの苦難がありました」
代表の2人が読み上げた「二十歳の誓い」に、そんな言葉があった。思春期に猛威を振るった新型コロナ、節目の年の地震、豪雨……。
代表の1人、輪島中卒業生の古谷美颯(みはや)さん(21)は地震後、地元を離れた。
朝市通り近くの自宅は半壊。地震による火災で火の手が間近に迫り、両親が営む飲食店は全壊した。
エンジニアをめざしてバスで通学していた市内の日本航空大学校石川は被災し、東京都青梅市の別キャンパスで授業が再開された。昨年5月から同市で寮生活を送る。
9月の豪雨後、大学校の仲間らと青梅市で募金をし、輪島に戻り家屋から泥を運び出すボランティアにも取り組んだ。
「離れているのは寂しい。やっぱりここが好き」と古谷さんは言う。
誓いの言葉は「この町に住む一人一人がまわりを思いやる気持ちを持っていたからこそ、助け合いながらあきらめずに生きていられるのだと思います」と続けた。
誓いに込めた「絶望」と「希望」
「私は元気で成人しましたと…