「闇バイト」による強盗事件が相次いでいることを受け、東京都は16日、各家庭が防犯カメラやカメラ付きインターホンといった防犯機器を購入する際の費用を補助する方針を明らかにした。2025年度から2年間の緊急対策とし、25年度予算案に47億円を計上する。
1世帯あたりの補助額は25年度が最大2万円、26年度が最大1万円。都内では一部の自治体がすでに防犯対策の費用助成に取り組んでおり、都は区市町村に補助することで支援を後押しし、各家庭の防犯対策を強めてもらう狙い。規模は22万7千世帯を想定している。
住宅の断熱改修に対する補助事業では、防犯機能を備えた窓も新たに対象とする方針。都によると、例えば2階建ての戸建て住宅で窓11枚を改修する場合、防犯機能のある断熱窓にするにはさらに100万円ほどの費用負担が発生する。都はこの費用負担をできる限り軽減することを目指し、補助の上限額などを検討する。
さらに闇バイトによる犯罪を未然に防ぐため、SNS上の投稿をチェックするAI(人工知能)搭載のモニタリングツールを1億円かけて警視庁に導入する。「ホワイト案件」「高額報酬」といったキーワードや変化する隠語を自動で調査し、捜査に活用するという。
首都圏では昨年8月以降、住宅に押し入り住民を襲う強盗事件が頻発。窓ガラスを割って侵入し、粘着テープで住民を縛ったりハンマーで殴ったりする凶悪な事案も起きた。
都が23年6月に実施し、都民1784人から回答を得た「都民生活に関する世論調査」では、とくに力を入れてほしい取り組みを尋ねると「治安対策」(40.2%)が最も高かった(複数回答可)。小池百合子知事は16日、「都民の安全安心を守ることが喫緊の課題となっている」と話した。