大阪市の夢洲で開かれる大阪・関西万博には、国内外から2820万人が訪れると見込まれている。大阪から離れた自治体は、この国際的イベントをどう捉えているのか、関西広域連合に所属し、万博へ積極的に参加する徳島県の後藤田正純知事(55)に聞いた。
――徳島県は、関西広域連合の「関西パビリオン」内に出展を予定しています。万博にどんなことを期待していますか。
人間は「まだ見ぬ未来」にあこがれを持つものです。人類の進化につながる万博というイベントで、徳島が一歩先の日本を示していきたいと思っています。
――具体的には。
徳島は「サステナブル・藍(アイ)ランド」です。例えば、県中部にある上勝町では、ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)を掲げています。上勝町の間伐材から作った白衣は、万博の公式医師用ユニホームに採用されています。県北東部の松茂町にはハイブリッド車向けの電池を生産する企業もあります。
こうしたサステイナブルな物やライフスタイルを、万博を通して世界に発信していきたいです。
――県として万博に予算を多く充てていますね。
パビリオン出展には約5億円、県内の子どもたちが修学旅行などで万博を訪れる場合の費用負担も、現在予算化に向けて取り組んでいます。
予算ゼロだったら何も進みません。我々はこの費用を投資だと考えています。
――「投資」を通じて得られるものは何でしょうか。
一番大きなものは教育です…