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VCセルセラピーの高橋政代社長(左)とジャパン・ティッシュエンジニアリングの畠賢一郎社長=東京都中央区

 iPS細胞を使って、加齢黄斑変性など目の病気の治療をめざすベンチャー企業「VCセルセラピー」(神戸市)が14日、細胞を用いた再生医療製品を複数開発してきたジャパン・ティッシュエンジニアリング(J―TEC、愛知県蒲郡市)と資本業務提携したと発表した。この分野のノウハウが豊富なJ―TECの支援で、製品の実用化を加速させるという。

 VCセルセラピーの社長を務める高橋政代さんは、iPS細胞から網膜の細胞をつくり、治療に応用する研究に取り組んできた。理化学研究所プロジェクトリーダーだった2014年、iPS細胞由来の網膜色素上皮を患者に移植する世界初の臨床研究を進めた。

 その後、自身が代表を務めるビジョンケア社を立ち上げ、その子会社として21年にVCセルセラピーを設立した。

 今回の提携では、iPS細胞を網膜の細胞に変え、「ひも状」に成形した製品の実用化をめざす。移植に伴う拒絶反応を抑えるため、関係する遺伝子を「ゲノム編集」技術で改編する。

 高橋さんが神戸アイセンター病院などとともに取り組んできた臨床研究では、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を使う必要があった。今回の製品では、この課題を克服することが期待できるという。

 VCセルセラピーによると、将来、有効性や安全性を調べる臨床試験をする際は、製品の品質管理や規制当局への対応も、J―TECがサポートするという。提携は昨年12月27日付。

 会見で高橋さんは、今回の製…

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