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放送された「激録・警察密着24時!!」から

 「警察のPRドラマのようにさえ見える」

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(小町谷育子委員長)が17日に公表した意見書。テレビ東京が2023年3月に放送した「激録・警察密着24時‼」に厳しい批判を向け、「放送倫理違反があった」と結論づけた。警察官が捜査の様子を事後に演じていたのに、それを明らかにしなかった点について「視聴者との基本的な約束を裏切るものだ」とした。

 番組は、23年3月28日に放送。愛知県警が捜査した「鬼滅の刃」の商品に関する不正競争防止法違反の疑いがある事案を取り上げていた。

 卸売会社の役員ら男女4人を「事件の首謀者」「偽グッズで荒稼ぎする闇組織」などとし、「逮捕された」と放送したが、その後に3人が不起訴となった事実には言及していなかった。

 さらに、警察署内の捜査員同士の会話や会議の様子は、捜査員らが事後に再現して撮影したのに、捜査の時系列に沿っているかのように番組を構成したという。

折り合い悪く、ずさんな引き継ぎ

 意見書には、番組の放送に至るまで、問題点が放置された過程が記されていた。

 番組は05年から20年近く…

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