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首相官邸=2023年1月11日、東京都千代田区

 税制における大きな権限を持つ自民党税制調査会。その会長に就く宮沢洋一参院議員は、宮沢喜一元首相を伯父に持つ政界のサラブレッドだ。岸田文雄前首相は母方のいとこにあたり、派閥もともに旧宏池会に所属していた。

 2022年12月半ばに入っても、NISA(少額投資非課税制度)の拡充と「1億円の壁」をめぐる、官邸と党税調の駆け引きが続いていた。

 水面下では宮沢氏と当時首相だった岸田氏が、NISAで非課税となる生涯投資額を「1500万円」に拡充することを申し合わせていた。財務省主税局ともその額で調整していたと、宮沢氏は思い返す。

 「金利のつかない預貯金より、高い利回りを期待できる株式投資をした方が合理的だ。貯蓄から投資への流れに火をつけるチャンスだと、岸田総理とは話を終えていた」

「1億円の壁」駆け引き材料に

 物言いがついたのは、税制改…

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