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長浦 紀華さん(56)

 23日と30日、勤務する北海道福島町立福島小学校の子どもたちに南極から授業をする。2009年度に国立極地研究所が始めたプログラムで校長が派遣されるのは初めてで、最年長者でもある。

 夢は「六大陸三大洋」へ行くこと。「自分の目で見て感じたことを教えたい」との思いからだ。15カ国を訪れたが、南極大陸へ行くにはこのプログラムに応募するほかない。道教育委員会で働いていたときは応募資格がなかったが、4年前に出身地の北海道函館市の小学校長として現場に復帰し、チャンスが訪れた。

 「自分の夢をかなえるために行ってよいものか」。3カ月間、校長不在となるが、「挑戦することの大切さや、一歩踏み出すことで道が開けることを、自らの行動で子どもたちに伝えられる」。腹を決めた。

 観測船しらせでの20日間の旅を経て昨年末に昭和基地に入った。色々な職種から集った隊員とともに、物資だけでなく排泄(はいせつ)物の運搬も担いながら、授業の準備のため様々な現場を取材する日々を送っている。

 夢の一つをかなえた今、ミッションがはっきりした。隊員には知識や技能に加え、あきらめない粘り強さや集中力といった精神的なたくましさと、根気強く取り組むための体力がある。「そんな力を子どもが身につけられるような教育をしたい」文・野田一郎 写真・本人提供

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