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東邦高校マーチングバンド部が作成した動画=TOHO MARCHING BAND提供

 大規模な火災に見舞われたアメリカ・ロサンゼルス近郊は、全米最大級の祭典「ローズパレード」の開催地でもある。パレードに携わった人たちも被災しており、音楽を通じた国際交流に携わる京都のNPOが支援を呼びかけている。

 136年の歴史を誇るパレードは、ロス郊外のパサデナで毎年1月1日に開かれる。マーチングバンドや騎馬隊、飾り立てたフロートが次々に登場する大イベントだ。

 日本代表として出場するマーチングバンドを支援するのが、NPO日米グリーンバンド協会(京都市左京区)。

 代表理事の熊谷譲さん(55)はパサデナの状況について「ほとんどの家で電気や水道が止まり、市民の大半が避難生活を送っている」と話す。ボランティアとしてパレードの運営を担った市民のなかには、自宅が全焼した人もいる。

「オレンジの悪魔」も協力

 熊谷さんはパレードを主催するローズトーナメント協会に役立ててもらうため、過去に出場した高校などに募金の協力を呼びかけた。

 今年出場した京都橘高校(京都市伏見区)は26日のローズ報告演奏会で募金箱を置く予定だ。同校はアメリカ滞在中にチャリティーコンサートを開いており、この時に集まった7679ドル(約120万円)はすでに寄付した。

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 岐阜県立岐阜商業高校(2017年出場)は18、19両日の定期演奏会で21万1264円を集めた。名古屋市の東邦高校(16、24年出場)は2月、名古屋南高校(14年出場)も3月、それぞれの定期演奏会で協力を呼びかける予定だ。

 東邦高はさらに、被災者を励ます応援動画を作った。それを見たローズトーナメント協会のアレックス・アガジェニアン前会長は「私たちの心をとても癒やしてくれました。東邦マーチングバンドとの特別な思い出がよみがえってきました」とコメントを寄せた。

 来年のパレードに出場する大阪府豊中市の箕面自由学園高校も2月の定期演奏会で協力するといい、支援の輪は広がり始めている。

 熊谷さんは「ローズパレード出場の有無にかかわらず、演奏会やイベントなどで募金箱を置いてくれる学校があれば、協力をお願いしたい」と話す。問い合わせは、日米グリーンバンド協会のフォーム(green-band.org/inq.html)。

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