3歳の長男の口や両手足に粘着テープを巻き付けて段ボール箱に入れたとして、母親と祖父が逮捕された事件で、母親が「言うことを聞かなかったのでやった」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。
広島県警が暴行容疑で逮捕したのは、同居の母親の熊谷瞳容疑者(26)と祖父の和弘容疑者(52)=広島市南区宇品海岸3丁目。2人は昨年9月5日午前3時半ごろ、自宅で男児の両腕と両足、口に粘着テープを巻き付け、段ボール箱に入れた疑いがある。
捜査関係者によると、この様子を映した画像が、瞳容疑者のスマホから祖父に送信されていたという。
男児はきょうだい2人を含む5人暮らし。母子4人は昨年夏、市外から祖父宅に転居してきた。瞳容疑者は「男児は手がかかる子で、食事を食べさせても食べないことがあった」との趣旨の供述もしているという。
男児は今月20日、意識もうろうの状態で2人に病院に運ばれ、直後に意識不明の重体となった。
市こども青少年支援部によると、市は乳幼児健診を生後4カ月、1歳半、3歳の3回実施しており、男児については3歳児健診の通知を送ったが未受診という。過去の健診については「個人情報のため、市内に住んでいたかどうかを含めて答えられない」とした。また、南区役所地域支えあい課は「男児が危険な状態だという兆候は把握していなかった」としている。