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グリーンランド東部で2019年8月15日、大きな氷河のそばを通るボート=AP
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 米大統領に就任したトランプ氏が、デンマーク自治領のグリーンランドやパナマ運河の取得に意欲を示しています。トランプ氏は、そのための軍事・経済力の行使を否定せず、グリーンランドを譲らなければデンマークに高関税をかけるとも主張しました。こうした姿勢は国際法上、どう評価されるものなのか。中谷和弘・東海大教授(国際法)に聞きました。

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 ――グリーンランドなどの取得はできるのでしょうか。

 およそ現実的とは思えません。どこまで本気か分かりませんが、グリーンランドやパナマ運河に対して影響力を強める中国を牽制(けんせい)するために投じた、トランプ氏流の「不可解な変化球」だと考えています。狙いは、パナマ運河通航料を下げさせることや、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に国防費をいっそう支出させることにあるのでしょう。グリーンランドで高まりつつあるデンマークからの独立運動を支持し、もし独立すれば、ミクロネシア連邦やマーシャル諸島などと結んだ、外交や防衛などの権限を米国に委ねる「自由連合協定」を締結する狙いもあるのかもしれません。

 ――トランプ氏は軍事、経済…

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