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第1回「高校生『みそ汁コンテスト』」で入賞し、表彰式に出席した生徒たち=2025年1月21日、松江市殿町の県分庁舎、石川和彦撮影
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 島根県内の公立高校に通う生徒の10~20%は朝食を食べない――。そんな調査結果を受け、島根県教育委員会はみそ汁を活用して高校生の朝食欠食率を減らそうと、レシピを募る「高校生『みそ汁コンテスト』」を初めて実施した。最優秀賞に選ばれたのは、島根県立松江ろう学校高等部3年山縣未空(やまがたみく)さんの「野菜たっぷり あったか みそ汁」。山縣さんは21日にあった表彰式で「ぜひみなさんに食べてほしい」と手話で呼びかけた。

 島根県教委によると、2019~23年度に県内の公立高校に入学した生徒のうち、朝食を食べずに登校する生徒の割合は入学年度にかかわらず、おおむね全体の10~20%だった。県教委は欠食率の改善を検討し、手軽に栄養補給ができ、調理が簡単なみそ汁に着目した。

 昨年8~10月、調理時間15分以内、4人分の食材費が700円以内などを条件として、「簡単!健康!実だくさん!」なみそ汁を県内の公立学校の高校生から募集。65作品の応募があり、松江市内のホテル総調理長、栄養関係の大学教員ら6人がレシピ、調理の様子を撮影した動画を見るなどして、栄養バランス、アイデアの斬新さ、味や食感などを審査した。

 山縣さんの「野菜たっぷり あったか みそ汁」の具材は油揚げや溶き卵、鶏肉の団子など。団子には細かく刻まれたゴボウ、ニンジン、タマネギ、ショウガが混ぜられている。みそ、ネギ、ゴボウは自校産という。

 表彰式で山縣さんは、野津建二教育長から表彰状と副賞を受け取った。取材に手話で「(受賞に)びっくりしたが、とてもうれしい」と感想を述べ、「野菜が苦手な人でも簡単に食べられるようにと思い、野菜を細かく刻んだ」などと工夫した点を説明。自身については「朝食は毎日食べている。パンとか、みそ汁です」と話した。

 最優秀賞も含め入賞作のレシピと調理動画は、島根県保健体育課のホームページで公開されている。

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