与党が過半数割れする中で27日に始まった衆院の代表質問で、野党側は自民党の裏金問題で攻勢を仕掛けた。選択的夫婦別姓の導入のほか、財政健全化も主要な論点となった。だが、石破茂首相は慎重な答弁に終始し、熟議にはほど遠いものとなった。
- 【そもそも解説】与野党の党首がぶつかる「代表質問」って何?
「忘れてはならないのは『政治とカネ』をめぐる実態解明です」。代表質問のトップバッターに立った立憲民主党の野田佳彦代表は、議場に向かってそう語気を強めた。
立憲は、昨秋の衆院選で自民派閥の裏金問題への批判を展開し、議席を1・5倍に伸長させた。年が明けてからは、新たに東京都議会自民党会派の裏金事件が明るみに。今国会でも再び「政治とカネ」の焦点化を狙う野田氏は、「政治資金パーティーをめぐる裏金の問題は、自民の派閥だけに限らず、地方組織に蔓延(まんえん)している疑いが高まっている」と指摘した。
さらに自民が23日に公表した各都道府県に対する党内調査を「わずか1週間足らずの調査で、おざなりだ」と指弾。自民が対象外とした各都道府県連の収支に関連する政治団体も調査するよう求めた。
だが、首相の答弁はそっけなかった。「党本部として必要な調査を行った。現時点でほかの不記載事案は把握されていない。再調査はいまは考えていない」と突き放した。
今国会は、2025年度当初予算案の審議が前半の山場となる一方、「政治とカネ」も主要テーマとして再浮上する見込みだ。昨年末、企業・団体献金のあり方をめぐり、与野党が「3月末」の期限に結論を出すと合意しているためだ。野田氏は「禁止の方向で結論を出すべきではないか。決意をお持ちか」と迫った。
首相、むしろ野党に「抱きつき」
だが首相は、これにも「我が…