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フジテレビの会見場には、多くの報道陣が集まった=2025年1月27日午後5時19分、東京都港区、友永翔大撮影

 参加者を限定し、動画撮影すら禁じた「クローズド」会見から10日。一転して「フルオープン」となったフジテレビの会見は、10時間以上続く異例の事態となった。

 17日の記者会見が「説明責任を果たしていない」などと批判を集め、スポンサー離れが加速。事態を重く見たフジが、参加資格や時間を無制限にして再び開いたのが、この記者会見だった。女性のプライバシー保護のため、質疑応答の部分は10分遅れで配信するよう求めた。

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 会場脇の大テーブルには水のペットボトル数百本が用意され、臨時に置かれた約400のパイプ椅子に電源が引かれていた。会見に出席したビデオジャーナリストの神保哲生さんは、「1人2問と言いつつ、司会は追加質問も実質的に許していた。長くなることを前提として、会見の様子をどんどん発信させようという狙いだったのでは」と振り返る。

 会見には、既存メディア、フリー記者、海外メディア、ユーチューバーら191媒体437人が参加。質問者が自身の意見を数分間にわたって述べ続けたり、司会者らに語気鋭く迫ったりする場面も目立った。

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フジテレビの会見の主なやり取り

 SNSが広がり、動画配信が簡単になったことで、会見を配信する人も増え、会見そのものが見せ物のようになったと感じている。「必ずしも核心をつく答えを引きだして記事を書くことだけが目的ではない参加者もおり、多様化している」と指摘する。

 海外の記者会見でも自分の意見を語り始める記者はいるが、司会や周囲の記者から質問をするように促されるという。「フジの会見は、記者の大演説をあえて放置していたようにも感じた。高齢の役員が厳しい質問に平身低頭耐えている姿を世の中に発信し、取材する側もひどいと印象づける形になった」と見る。

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 「無制限な記者会見にすると、かえって会見を開く側に逆手にとられ、ガス抜きに利用されてしまう。メディア全体が自ら律していかないと、会見を閉じた場にすることを正当化する理由を与えることになる」と危機感を抱く。

場内騒然、20分近く押し問答 フジ同情論も

 とりわけ場内が騒然としたの…

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