滋賀県守山市と生活協同組合コープしが(野洲市)は、立命館大食マネジメント学部の協力を受け、市内産の野菜を使った総菜「ブロッコリーのアヒージョ風炒め」を開発した。期間限定でコープもりやま店(守山市勝部3丁目)で販売される。
市はJAレーク滋賀(大津市)、立命館大などとともに、食をテーマに市の地域資源をPRするプロジェクトを推進している。琵琶湖で養殖されている真珠の貝殻の焼却灰をまいて育てた野菜「もりやまびわこパール野菜」を販売している。
一方、包括連携協定を結ぶコープしがとは、パール野菜の認知度を高めるため、総菜を開発することにした。立命館大食マネジメント学部に協力を依頼。有志の学生7人が昨年6月から試作を続けてきた。
「ブロッコリーのアヒージョ風炒め」はパール野菜のブロッコリーのほか、シメジやむきエビが具材。ニンニクや赤唐辛子などを加えてアヒージョ風に仕上げた。
100グラム322円(税込み)。コープもりやま店で2月8日~3月2日の土日限定で1日60個販売する。
総菜づくりに携わった食マネジメント学部3年の足立乃愛(のあ)さんと勝見桂衣(けい)さんは「アヒージョ風にすることで食べやすい総菜になった」「今回の取り組みで、もりやまびわこパール野菜を知ってもらえたら」と話している。
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真珠の養殖で出る貝殻の焼却灰で野菜を育てる「もりやまびわこパール野菜」の取り組みが、農林水産省などの今年度の「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の優良事例に選定された。
農山漁村の宝は、地域資源を引き出すことで地域の活性化や所得向上に取り組む好事例を選び、全国に発信する取り組み。今年度は全国から500近くの応募があり、優良事例は30地区が選ばれた。県内からは、もりやまびわこパール野菜が唯一。
滋賀県守山市とJAレーク滋賀、守山商工会議所、立命館大などでつくる「もりやま食のまちづくりプロジェクト」が2021年度から、大量に出る養殖真珠の貝殻を農業に活用しようと取り組んでいる。22年度からは焼却灰にして、土壌改良材として畑にまいて野菜を栽培。パール野菜と名付けてブランド化した。
23年度はJAレーク滋賀の農家15軒ほどがキャベツやニンジン、コマツナ、ブロッコリー、イチゴなど10種類を栽培し、約5トンを収穫した。市内の学校給食の食材として提供されているほか、JAの直売所で販売され、地産地消の推進に一役かっている。これまで廃棄されていた貝殻を再利用したことも評価された。