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英東部ボストンの中心部は、国際色豊かな店舗が目立つ=藤原学思撮影

 英国が欧州連合(EU)を離脱した「ブレグジット」から、31日で5年を迎える。離脱派が信じた「英国の繁栄」は実現したとは言えず、世論調査でもブレグジットは「失敗だった」との見方が大半を占める。EU離脱の選択は何を残したのか。国民投票で「離脱」票の率が最も多かった町を訪ねた。

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 「国民投票は確かに町を変えた。でも、ブレグジットは何も変えなかった」

 1月中旬、英東部ボストン。東欧の国々の国旗が目立つ通りにあるオフィスで、イガ・ボントフトさん(42)は言った。2016年の国民投票は町の景色を変えたが、実際に20年にEUを離脱した後に何かがもたらされたとは考えづらい、と。

 故郷のポーランドは他の中東欧7カ国、地中海の2カ国とともに、04年5月にEUに加盟。EU域内では、原則としてどこへでも移住して働くことができる「移動の自由」が保障されている。ボントフトさんは10年に、当時11歳の息子とともにボストンに移住した。

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