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2025年1月18日、ドイツ・デュッセルドルフで開かれた中道右派「キリスト教民主同盟」(CDU)の会合に出るメルケル前首相=ロイター

 ドイツのメルケル前首相は30日、かつて自ら率いた中道右派「キリスト教民主同盟(CDU)」のメルツ党首の議会運営に懸念を示す異例の声明を出した。CDUが中心となって議会に提案した移民規制の厳格化を求める決議案を、右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」の協力を得る形で可決させたためで、メルケル氏は「間違いだ」と批判した。

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 CDUと姉妹政党「キリスト教社会同盟(CSU)」でつくる最大野党会派は、国境管理や不法移民の送還の強化を政府に求める決議案を議会に提案。29日の採決では与党が反対する中、AfDが支持に回り、小差の賛成多数で可決された。

 ナチスの過去の反省から右翼への警戒が強いドイツでは、排外的な主張を掲げるAfDを「右翼過激派」の疑いがあるとして独情報機関が監視対象にし、主要政党は協力を拒否してきた。今回の採決で、CDU・CSUが「タブーを破った」などとして波紋が広がっている。

 2021年に政界引退後、議…

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