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金融経済懇談会に出席する日銀の田村直樹審議委員=2025年2月6日、長野県松本市

 日本銀行の田村直樹審議委員は6日、長野県松本市で講演し、追加利上げのペースに関して「2025年度後半には、少なくとも1%程度までの引き上げが必要」との認識を示した。その時期には、日銀が掲げる2%の物価上昇率の目標を達成できるとし、1%程度までの利上げが物価の上ぶれを抑えるために必要だとした。

 三井住友銀行出身の田村氏は利上げに積極的な「タカ派」として知られる。田村氏は、企業の賃上げや価格転嫁が進み、25年度後半には日銀が目標とする物価が前年より2%上回る状況を安定的に実現できると主張。25年度後半に政策金利が1%の水準になることを念頭に、今後の利上げペースを「段階的に引き上げつつ、適切な金利水準を探っていく必要がある」とした。

 日銀は1月24日の金融政策決定会合で、短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を、0.25%程度から0.5%程度に引き上げることを決めた。田村氏は、次回の利上げを0.75%と想定したうえで、時期については「適切に判断していく」と述べるにとどめた。一方で、0.75%への利上げでは「経済を引き締める水準にはまだ距離がある」とし、一段の利上げが必要だとの認識を示した。

 田村氏は記者会見で「物価の…

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