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写真・図版
斉藤雅茂・日本福祉大教授=本人提供

 全国で昨年上半期に孤独死した人のうち、およそ4人に1人が15~64歳の「現役世代」でした。背景に何があり、問題の本質はどこにあるのでしょうか。孤独死に詳しい日本福祉大の斉藤雅茂教授(社会福祉学)に詳しく聞きました。

 ――「現役世代」が孤独死するリスクについて、どう考えますか。

 リスク自体は高齢世代よりも現役世代の方が高いと言えるでしょう。

 要介護の状態だったり、亡くなることが近くに迫っていたりする人は、ケアマネジャーやヘルパーが身近にいることがあり、見つかりやすいです。しかし、現役世代の多くはそうではありません。例えば2週間ほど連絡が取れない状態になっても、誰からも気づかれない若い人は少なくないと思います。

 ――大阪府北部で見つかった42歳の男性の事案では、発見まで1年以上がかかりました。

 この事案は現役世代だから発見までに時間がかかったという要素に加え、生前から深刻な孤立状態にあったことが特徴的です。

 少なくとも安定した仕事に就いている状態ではなかったようですし、人付き合いもほとんどありませんでした。ご家族も他界されています。

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