財務省は10日、2024年の国際収支(速報)を発表した。海外との貿易や投資によるお金の出入りを示す経常収支は、黒字が前年より29.5%増えて29兆2615億円となり、過去最高だった。海外への投資によるもうけが、歴史的な円安の影響で膨らんだ。
経常黒字は、これまで最高だった07年の24兆9490億円を4兆円以上も上回った。
経常収支のうち、海外投資によるもうけを示す第1次所得収支は、前年比11.3%増の40兆2072億円の黒字で、過去最高だった。企業の海外進出が続く中、ドルなど外貨でのもうけが、円安によって円換算で膨らみ、経常黒字を押し上げた。
現地子会社からの配当などの直接投資収益は、金融・保険や卸売り・小売り、自動車を中心に、24兆5518億円にのぼった。債券利子などの証券投資収益も14兆2753億円あった。
一方で、モノの輸出入を示す…