11日に閉幕したパリの「AI(人工知能)アクションサミット」では、フランスと欧州連合(EU)がAI開発に向けた巨額の投資計画を発表し、米中両国に対抗する姿勢を強めた。米国がトランプ政権に代わったことで、世界のAI開発をめぐる潮流が「規制」重視から「活用」重視の方向に大きく動いたことが、今回鮮明になった。
今回のサミットは、一昨年11月に英国で開かれたサミットの流れを受けている。当時は米オープンAIの開発した生成AI「ChatGPT(チャットGPT)」が注目を集めていた時期で、前回英国でのサミットではAIのリスクが議論されたが、今回パリでは技術革新や活用が議題の中心を占めた。
テーマが一変した背景には、二つの大きな要素がある。一つは「自国第一」を掲げるトランプ米政権がAIのリスク管理を求めたバイデン前政権の政策から開発推進にかじを切ったことだ。さらに高性能のAIモデルを発表した中国企業「ディープシーク」の登場が、開催国フランスの危機感を強めた。
マクロン仏大統領は開幕前の…