岐阜県立岐阜本巣特別支援学校(岐阜市)が、農業と福祉の連携(農福連携)を実践する優れた事例を表彰する農林水産省の「ノウフク・アワード2024」でフレッシュ賞を受賞した。県内の学校が受賞するのは初めてという。
同校高等部の農業園芸班では、2022年から生徒が主体となって企業と協力し、農福連携を始めた。
耕作放棄地を活用してソバを栽培。収穫したルビー色のソバを使った乾麺を「恋する蕎麦(そば)~初霜ルビー」の名で製品化した。一面ルビー色のソバ畑は、SNSの「映えスポット」としても話題となり、地域活性化にも貢献した。
昨年からは新たに校内の畑で丸ナス「ブラックビューティー」や葉野菜「フェンネル」などのイタリア野菜を生産している。
生徒たちは、栽培用アプリ「アグリハブ」を使った作業管理にも取り組み、栽培面積を少しずつ増やしてきた。収穫した野菜は校内の喫茶コーナーや地元のイベントなどで販売。岐阜市長良のイタリア料理店に出荷するなど、農産物の売り上げも伸ばしている。
ノウフク・アワードのフレッシュ賞は、取り組みを始めて5年以内の団体に贈られる。審査員からは「話題性のある取り組みを当事者から広報発信するコンセプトがユニーク。今後の発信にも期待できる」「子どもたちが地域の農業の新しい担い手となっていけるワクワクするチャレンジとして応援したくなる点が魅力」と評価された。
最初は慣れないくわの使い方にも苦労した生徒たち。1月22日に東京都港区で表彰式があった。
農業園芸班の上野響希さん(2年)は「みんなで頑張った結果、成果が認められてうれしい」と喜び、宮田大輝さん(1年)は「今までになく感激した」、宇佐美奏空さん(1年)は「農業をやってよかった。卒業まで続け、今度はグランプリを受賞したい」と話した。
ノウフク・アワードには、県内から岐阜市の「JAぎふはっぴぃまるけ」が優秀賞に選ばれた。