「富士山の日」の23日、富士山を眺めながらおにぎりを食べる「富士山の『日』祭り」があった。世界文化遺産登録10年を機に一昨年から始まったイベントで、富士山の高さにちなむ3776個のおにぎりが、今年は富士北麓(ほくろく)地域17カ所で配られた。
メイン会場の富士山レーダードーム公園(山梨県富士吉田市)では、おにぎりを入れた箱をつり下げたドローンが飛来。富士吉田産の希少品種のコメ「ゆきむすび」で作った173個と、地元高校生とスーパーが連携して考案した「吉田のうどん」の味付けを生かした「吉田のおにぎり」50個の計223(ふじさん)個が配られた。「ゆきむすび」は、「冷めても硬くならず、おにぎり向きです」と、生産者の堀内治さん(69)から説明があった。
用意したおにぎりより多くの人が行列し、「ゆきむすび」を先着順で配った後、「吉田のおにぎり」はジャンケンで勝ち残った人に渡された。そんなこともあり、午後2時23分におにぎりをぱくつくはずだったが、「3776秒ほど遅れた」(司会者)。
おにぎりを配るのは、「100人で食べたいな、富士山の上でおにぎりを」と歌われる童謡「一ねんせいになったら」にちなむ。千葉県船橋市から両親、姉2人と5人で訪れ、「ゆきむすび」のおにぎりを食べた、小学校1年生の柳田恭冴(きょうご)さんは「普通のおにぎりより甘くておいしかった。歌は知ってる。学校に行けば、友だちはたくさんいるよ」と話した。
3回続けて実行委員長を務めた桑原孝太さん(40)は「幸せな文化として残していきたい。たくさんの人に協力してもらい、企画も増えて、進化していると感じる」と振り返った。