中国の外交部門トップを務める王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相は欧州、米国、アフリカへの約10日間の外遊を終えた。国際会議の傍ら、電話を含めて25カ国の首脳や外相らと会談。ウクライナ和平に向けて国際情勢が変動する中、中国は自らの「安定性」を米トランプ政権と対比することで、国際社会の支持を広げようとしている。
- 「欧州の皆さんは寒気が…」王毅氏、トランプ外交への懸念逆手に訴え
「激動の世界で、中国が安定の要だとみて、世界的課題の対処に中国が役割を果たすよう望む国が増えている。私たちは、重い責任をより痛感している」
中国外務省は23日、一連の日程を終えた王氏の声明を発表。米国第一主義を掲げ、国際協調を軽視するような動きを続けるトランプ政権に対する各国の戸惑いを見透かすように、中国への期待を強調してみせた。
外遊では、貿易問題を抱える米国との直接対話の行方が注目された。王氏とルビオ国務長官はともにドイツのミュンヘン安全保障会議に参加した。王氏は続いて国連の会合で訪米する日程もあり、中国政府関係者はルビオ氏との初会談の「好機」と期待を示していたが、会談は実現せず。「目下、トランプ政権にとって中国との対話は優先度が高くない」との見方が出ている。
そんな中、王氏は各国の取り込みに動いた。
中国が和平に関わるロジック
ミュンヘンでは、英独仏やウ…