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長崎市から贈られた瑠璃色のタンブラーを手にする神木隆之介さん=2025年2月20日午後3時28分、長崎市魚の町、寿柳聡撮影
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 炭鉱の島として栄えた当時の長崎市の端島(軍艦島)が舞台のドラマ「海に眠るダイヤモンド」(2024年放送)で主人公・鉄平を演じた俳優の神木隆之介さんが20日、長崎市役所で鈴木史朗市長と会い、ロケの思い出などを語った。「端島と長崎を生きたつもりで演じた」という神木さんは、「長崎に帰ってきて、どうですか」と報道陣に問われ、「帰ってきて、と言ってくださるのが、めちゃくちゃうれしい」と喜んだ。

 作品は往時の端島と現代の東京が舞台。狭い土地に高層住宅などが林立する端島の人々の暮らしが描かれ、地元・長崎の人にとっても地域の歴史を思い起こすきっかけになった。放送を機に島への上陸ツアーに参加する観光客も急増している。

 鈴木市長は「ツアーの予約がとれないという、(観光関係者にとっては)うれしい悲鳴が聞こえています」と感謝を述べ、作品に出てくるギヤマン(ガラス細工)にちなんだ瑠璃色のタンブラーを記念に贈った。

 数々の作品で役者や声優を務めてきた神木さんだが、長崎を正面から取り上げた作品は初めて。神木さんが一人二役で演じる玲央と、宮本信子さん演じるいづみが端島に上陸したり、中華街でちゃんぽんを食べたりと、現代の長崎市内でのシーンも描かれた。神木さんは「監督もカメラマンも(長崎の)風景の中で2人が生きている絵を意識していたと思う。端島、長崎と実際に自分も生きたつもりで演じていたので(長崎は)大きな存在になっています」と振り返った。

 神木さんは4月18日に長崎市でトークイベント「神木SA」を開催する。舞台あいさつなど折々の作品関連でファンの前で話す機会はあるが、作品にとらわれずに話すイベントは少ないといい、「(長崎の)みなさんに本当にお世話になったので、少しでも喜んでもらえたら」と話した。

 20日は、「海に眠るダイヤモンド」と、そのロケ支援や地域活性化に力を入れた長崎県・長崎市が、「第15回ロケーションジャパン大賞」の準グランプリを受賞したことも発表された。鈴木市長は神木さんに「これを機に、何度でも長崎を舞台にしたドラマや映画で魅力を発信していただけたら」とリクエストした。

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