鳥取県倉吉市関金地区内で唯一のスーパーが閉店したことを受けて昨年3月、地域住民らでつくる関金地区振興協議会が設置したスーパー「関金ストア」(同市関金町大鳥居)が、今年3月31日で一時閉店することが決まった。利用が伸びず、従業員確保も難しかったため運営会社が撤退することになった。同協議会は代替業者を探す方針だが見通しは立っていない。
関金ストアは、2023年9月にJA系スーパー「Aコープせきがね店」が閉店したのを受け、協議会が市支所などが入る市関金総合文化センター内の空きスペースに設置。岡山県真庭市のスーパーが運営にあたっていた。店舗設置費用などに倉吉市と鳥取県が3700万円を補助した。
市によると、開店直後の昨年4月は月間利用客はのべ4175人、売り上げ418万円だったが、今年1月は2004人、235万円とほぼ半減。十分な従業員も確保出来ず、運営スーパーが2月17日、協議会に「運営継続が困難」と申し出たという。
協議会は同月21日に臨時理事会を開き、4月1日から一時閉店することを決定した。協議会の担当者は「替わりの業者か個人でやって下さる人などを探すが、メドはたっていない」としている。
関金地区に住み市中心部に通勤している女性(46)は「土日は利用しているのでなくなると不便。別の一番近いスーパーは車で15分ぐらいかかる。でも、平日は勤務帰りにそのスーパーに寄るので、関金ストアは利用していなかった。品ぞろえもそっちの方が豊富だし……」と話した。
開店から1年での一時閉店を受け、平井伸治知事は「地域や倉吉市を支援し、新たな展開を探っていきたい」などとするコメントを出した。