Smiley face

 「クワイエットラグジュアリー(静かなるぜいたく)」の流行が終わる――。1月21~26日に開かれた、2025年秋冬の新作を発表するパリ・メンズファッションウィーク(パリ・メンズコレクション)は、きらびやかさや感情を揺さぶるような表現が目立ち、シンプルな上質さを追及したトレンドの終わりを感じさせた。新機軸で男性性の再考を試みる提案など、それぞれが理想の「新しさ」を突き詰めたシーズンだった。

写真・図版
ディオールのフィナーレ

 ディオールのショーは、黒一色のファーストルックから始まった。軍学校「エコール・ミリテール」に特設された広い会場では、服は遠巻きにしか見えない。それでも、つややかなトップスに、ワイドパンツにもロングスカートにも見えるボトムス、目隠しに見立てられたリボン状のマスクは妖艶(ようえん)で、色気を放っていた。

 クリエーティブディレクター…

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