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1991年東京大会男子100メートル決勝で9秒86の世界新記録で優勝し、喜ぶルイス=1991年8月25日、国立競技場
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 34年前の夏、東京・国立競技場で開かれた陸上の世界選手権の主役はカール・ルイス(米)だった。男子100メートル決勝を9秒86の世界新記録(当時)で制した。中継スタッフたちは世界へ最高の映像を届けようと、あらゆる想定をして臨んだ。最前線で奮闘した人々の証言から舞台裏をたどる。

 「世界最速の男」を決めるレースは大会第2日の1991年8月25日。焦点は84年ロサンゼルス、88年ソウルの両五輪で金メダルに輝いた30歳のルイスと、2カ月前に9秒90を出した24歳のリーロイ・バレル(米)の新旧交代の行方だった。

 東京大会を中継した日本テレビは、国内だけでなく、全世界に向けた国際信号(映像と会場内の音声)を制作するホストブロード局の大役を担った。

 日本びいきの偏った映像作り…

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