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シンポジウムで行われたパネルディスカッション。子どもの貧困問題に取り組む細野豪志衆院議員(左)やキッズドアの渡辺由美子理事長(右から2人目)らが登壇した=キッズドア提供

 子どもの教育格差について考えるシンポジウムが1月22日、東京都内で開かれた。子どもの貧困問題に取り組む認定NPO法人キッズドアが、格差解消に向けた支援を広げたいと企画。子どもの貧困に詳しい専門家らが、格差の実態や必要な支援について話し、学校や行政の関係者ら約200人が参加した。

貧困、より厳しく 「子育て費用高騰に乗らない支援を」

 基調講演した東京都立大学の阿部彩教授は、子どもの貧困率は近年減少しているとし、「子どもの貧困について語ることが少なくなってきた」と危機感を訴えた。

 一方、2011~22年にかけて子育て世帯を調べた調査では、子育て世帯の中で比較した貧困率が、ふたり親世帯で減少している一方、母子世帯では上がっていることが分かったという。「子育て世帯の状況は社会全体では良くなってきているが、貧困率が下がる中で取り残された貧困層は、以前の貧困層よりも状況が厳しくなっている」と説明した。

 ただ、近年の子どもに関する…

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