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温かい食事を楽しむ人たち=2025年2月28日午後1時37分、岩手県大船渡市、伊藤恵里奈撮影

 岩手県大船渡市の山林火災で、避難を余儀なくされた人々を支援しようと、地元で長く親しまれる食堂が食事の無償提供を始めた。津波で流された店を再建した店主の菊地憲行さん(67)は自身の経験から「温かい食事でくつろいでほしい」と語る。

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「お待ちしておりました」

 「綾里地区住民の皆様 お待ちしておりました!!」。岩手県大船渡市三陸町越喜来にある食堂「御食事処 三平」の入り口には、大きな文字でそう書かれた紙が貼られている。

 28日、午前11時に開店すると、親子連れの人らが次々と訪れた。

 「はー、うまい。最高」

 最初に訪れた佐々木安治さん(84)はラーメンをすすってつぶやいた。26日は小石浜地区にある親戚の家に身を寄せていた。ところが、延焼は続き、その地区にも避難指示が出たため、27日から越喜来小学校の避難所に滞在している。

 「着の身着のままで避難してきて下着もなくて大変です。一息つけた」と一安心の表情を浮かべた佐々木さんに、菊地さんは「また気軽にお越し下さい」と笑顔で声をかけた。

温かい食事が励みになる

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調理中の菊地憲行さん=2025年2月28日午前11時32分、岩手県大船渡市、伊藤恵里奈撮影

 石浜地区の山下祐子さん(6…

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