米下院で停滞していたウクライナ支援の法案が20日、ようやく可決された。最大の支援国である米国からの武器・弾薬提供が止まり、窮地に追い込まれていたウクライナでは安堵(あんど)が広がるが、この間、ロシア軍は一気に攻勢を強め、ミサイル、ドローン(無人機)攻撃は激化する一方だった。昨年来の劣勢を立て直すには相当な時間がかかると見られる。
- 米下院がウクライナ支援案を可決 行き詰まり打開、軍事支援を再開へ
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日のビデオ演説で、「米国のリーダーシップは、国際秩序維持のため決定的に重要だ。我々はこの戦争を終わりに近づける」と歓迎した。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は同日、Xに「欧州と北米の全体がより安全になる」と投稿。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長も同日、「大西洋を越えた同盟は自由と民主主義を支持することで団結している」とXに投稿した。
今年に入って、ウクライナは戦場でも、前線から離れた都市部でも、厳しい状況に立たされてきた。米国はウクライナ支援の予算を使い果たし、2022年2月のロシアの侵攻開始以来、ほぼ隔週のペースで続いてきた軍事支援は昨年末で途切れた。今年は3月に、直近に必要とされる武器・弾薬が在庫から届けられただけだ。前線では使える砲弾の量がロシア軍の10分の1にまで減ったとされ、都市部ではロシア軍のミサイル、ドローンに対抗する迎撃弾が足りず、住民の犠牲が増えていた。
駐ウクライナ米国大使の説明…