杉本昌隆八段の棋道愛楽
2月も終わり、もう3月ですね。同時にそれは、約10カ月間にわたって戦ってきた棋士の順位戦がクライマックスを迎えることを意味します。
2月21日に行われた名人戦A級順位戦の渡辺明九段対永瀬拓矢九段戦は大熱戦でした。形勢有利から逃げ切りを図る渡辺九段、それを追う永瀬九段。共に秘術を尽くした戦いで、本当に見応えがありました。
そして他のクラスに先駆けて、27日にはA級順位戦の最終局が行われました。この原稿を書いている今、私はその結果を知りませんが、藤井聡太名人への挑戦者は誰になったのか? そして熾烈(しれつ)な残留争いの結末は? 翌28日付の新聞記事を興味深く見ている将棋ファンは多いはずです。
私の所属するB級2組の順位戦最終日は3月5日です。勝って得るもの、負けて失うものを考えると残り一局は是が非でも勝ちたいですが、それは棋士なら皆同じ。まずは最終日に備えて体調を整えます。
順位戦の持ち時間は6時間の長丁場で、あらかじめ先手後手も決まっている。調整法は独特かも知れません。他人の将棋を自分のことのように熱心に研究することもあります。
これは私もよくやりますが…