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岩切駅のホームで記念撮影する岩切さんたち。中央が岩切道郎社長=2025年3月2日、仙台市宮城野区、石橋英昭撮影
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 仙台市のはずれにあるJR東北線の「岩切」駅(宮城野区)を2日、全国から集まった団体旅行客が訪ねてきた。駅名と同じ「岩切」姓の人たちご一行だ。

 岩切さんは、もとは宮崎県に多い姓とされる。ツアーを発案したのは名古屋市に本社がある名鉄観光サービスの社長で、その名も岩切道郎さん(61)。自身のルーツが宮崎で、昨年4月に社長に就任し、何か故郷を盛り上げる企画をしようと、考えついたという。

 同社宮崎支店が2泊3日のツアーを企画。宮崎のほか首都圏や名古屋に住む58歳から90歳の岩切さん9人が参加した。

 空路とフェリーで1日、仙台に到着。夕食会では「岩切」と刷られたおそろいのTシャツを着込み、同姓のよしみで親交を深めた。東京から参加した岩切貴乃さん(64)は「不思議なもので、顔を合わせた時から、どこかでつながっている感じがした」。

 2日は駅のある岩切地区を観光し、城跡や神社を巡った。こちらの地名は遠い昔、岩切場があったことに由来するとの説がある。宮崎県日向市から来た岩切素子さん(87)は「あちこち岩切だらけで、自分が岩切だってことを忘れちゃう。ここに引っ越そうかしら」と笑った。

 最大の目的地の岩切駅では、駅名標を前に岩切さん全員で記念撮影。JR職員から花束を贈られた。

 そういえば、宮崎と宮城も名前が似ている同士。岩切社長の祖父の故・章太郎さんは「宮崎観光の父」として知られ、宮崎交通の創業者だった。その縁で、ツアーでは同じ「宮交」の愛称を持つ宮城交通バスを利用した。

 大好評だった「同姓ツアー」。お客として参加した岩切社長は「この縁を大事にして、親戚づきあいのような形で続けたい」と話した。

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