金沢大学付属特別支援学校(金沢市)の教諭が、目が不自由な人たちに欠かせない白杖(はくじょう)(視覚障害者安全つえ)の「石突(いしづき)」と呼ばれる先端部分を独自に開発した。その狙いは、ずばり使いやすさと耐久性。クラウドファンディングで製作費を募り、全国に約1500人いるとされる白杖を使う子どもたちに無料で届けたいと考えている。
石突を開発したのは、同校教諭の吉岡学さん(56)だ。金沢大学大学院で化学工学を専攻し、修了後は荏原製作所(東京)に就職。ゴミ焼却炉の開発に携わった研究者。30歳のころ、故郷の金沢市で暮らす母が「網膜色素変性症」を発症し、間もなく全盲に。介護のため帰郷し、工業高校の教諭になった。
教諭になった後も、母親と接する中で、白杖の使い勝手が気になっていた。そこで、高校教諭としての仕事と並行しながら金沢大大学院の別の専攻に入り、リハビリテーションの先進技術を学んだ。そして、46歳のときに特別支援学校に移り、白杖の改良に着手した。
杖の先端広げ、回転するよう細工
プラスチックでできた石突の…