働き方が多様化する中、副業を「解禁」する動きが大手企業を中心に広がりつつある。四国では、4県の地方銀行全8行が副業を認めた。自身の関心や情熱を生かし、複数の分野でスキルを磨く勤め人がじわりと増えている。
昨年末、徳島市中心部にある阿波おどり会館。華やかな青と白の衣装をまとった踊り連がステージに上がると、観客約100人から拍手が湧いた。
笛や太鼓などで奏でる二拍子の「ぞめき」に合わせて踊りを披露したのは会館専属連「阿波の風」。その中に徳島大正銀行の西村匡矢(まさや)さん(46)の姿があった。
徳島市で生まれ育った「阿波っ子」の西村さんは、30代から仕事帰りや休日に阿波踊りの練習に参加してきた。
徳島では踊り連に会社員や公務員が加わるのは珍しくないが、2年前に勤務先から副業と認められたことで、プロの踊り手として1日6800円ほどの報酬を得られるようになった。
「ストレスも軽減され、本業にもプラスに働いています」
平日は融資債権の管理・回収業務をこなし、公演に出るのは土日と祝日。本業、副業あわせて時間外労働が月45時間を超えないようにやりくりする必要があるが、自己肯定感が増したという。
「頑張りすぎ」心配する声も
「三刀流」を極める銀行員も…