生まれつき難病を抱える神奈川県鎌倉市の小学4年生、前田詩生(しお)さん(9)が今夏パリで開かれるパラリンピックを見に行く費用を捻出しようと、自分の絵をデザインしたチーフを作製、販売している。電動車いすでサッカーをするなど活発な日々を送りながらパリ行きを目指している。
詩生さんは、鎌倉市立関谷小学校に在籍。身長や手足などの成長に影響が出る「軟骨無形成症」という難病で、車いすで生活している。学校まで1・2キロの道のりを1人で電動車いすに乗って通学。夏は由比ガ浜でサーフィンを楽しみ、県内の電動車いすサッカーチームで選手として活躍している。2歳のときから美術も習っている。
1年生だった2021年、東京五輪・パラリンピックの開会式をテレビで見た詩生さんは、各国の民族衣装に目を奪われた。すぐに色とりどりの衣装をスケッチし始めた。描いた衣装は37種類。「次のオリンピックを見てみたい」と口にした。
母の可奈さん(43)は「びっくりしたけれど、きっと言い出すだろうなと思っていました。行けたらいいね、と話しました」と振り返る。
「行きたい」は「行く」に
詩生さんに美術を教えている…