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オシラサマを元の場所に戻し、お茶を供える嘉志一世さん=2025年3月8日午後2時9分、岩手県大船渡市三陸町、三浦英之撮影

 岩手県大船渡市の山林火災は8日、新たに三陸町越喜来の甫嶺東、甫嶺西、上甫嶺地区の避難指示が解除された。

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 北東北の民間信仰「オシラサマ」も「車中泊」から復帰した。大船渡市三陸町越喜来地区の民宿「嘉宝(かほう)荘」は8日午後、近隣地域の避難指示が解除されたことを受け、緊急時にいつでも避難できるように車のトランクに入れていた保有するオシラサマ12体を民宿内に戻し、お茶を供えた。

 民宿は避難指示区域の外側にあったが、1日朝に「いつでも避難できる状態にしてください」と求められ、経営者の嘉志一世(かしいちよ)さん(73)は雨戸を閉めた民宿中で待機していた。

 「いつ火災が来るのかと不安で、この間、オシラサマに『どうかお守り下さい』とお祈りしてきた。オシラサマも今日は心なしかほほ笑んでいるように見える」。民宿は火災発生以来、休業していたが、11日から営業を再開する予定だ。

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