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埼玉県

 さいたま市内の小学校で2021年度に認定されたいじめの「重大事態」について、市の再調査委員会の市川須美子委員長(独協大名誉教授)が18日夜、報道陣の取材に応じ、学校が23年に提出した調査報告書に対し「第三者性に欠け、調査を尽くすという点で甘かった」との認識を示した。

 市は18日、弁護士ら4人で構成する第三者の再調査委の初会合を開催。委員会は非公開で2時間以上に及んだ。

 市によると、当時小学2年だった児童が20年度に同級生からいじめを受け、翌年度から不登校になったとされることが重大事態と認定された。学校側が設置した第三者委がいじめについて調査したが、保護者から調査が不十分などの意見が出され、市は再調査が必要だと判断した。当初の第三者委のメンバーや報告書は公表されていない。

 委員会後に取材に応じた市川氏は、「基本的に学校関係者でつくった報告書で、第三者委の報告のレベルに達していない。改めて精査する必要がある」と話した。今後、児童の保護者や学校関係者らから改めて話を聞く方針。

 市によると、児童の不登校はいまも続いている。「子どもに立ち直ってもらうことが一番」(市川氏)とし、年度内をめどに報告書をまとめるという。

 清水勇人市長は「事案の全容解明、再発防止を図るため、公平・中立な立場からご審議をお願いしたい」とのコメントを出した。(黒田壮吉)

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