日本政治の中心に座り続けた自民党を力強く支えてきたのは地方組織、と言って異論はないだろう。
「ムラ社会」のつながりが草の根保守を形成し、国や都道府県に政治家を送り出す。その引き換えに利益配分の恩恵にあずかる。こうした強固なシステムが、経済成長とともに機能してきた。元首相の田中角栄が提唱した「国土の均衡ある発展」が典型だ。
「保守主義の原点に」
2009年の衆院選に敗れて下野した後、総裁に就いた谷垣禎一は、所属議員で手分けして全国各地を回る「車座対話」の活動を始めた。「保守主義の原点に戻り、地域の絆(きずな)を結び直す取り組みが党再生につながる」とのねらいがあった。
評判も成果も上々だった。わ…