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北朝鮮との軍事境界線に近い韓国京畿道漣川(ヨンチョン)郡で2025年3月10日、川を渡る準備をする米軍の兵士ら=AP

 米韓両軍は10日、朝鮮半島有事を想定した定例の合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を始めた。一方、韓国軍によると、北朝鮮は10日、射程が300キロ以下の近距離向けとみられる弾道ミサイル数発を発射した。北朝鮮の弾道ミサイル発射は1月の第2次トランプ米政権発足後初めて。

 米韓両軍によると、合同軍事演習は北朝鮮がロシアとの軍事協力を進める中、北朝鮮軍の戦略や戦術、戦力の変化などをシナリオに反映して実施する。20日まで。また、陸海空、サイバー、宇宙など全領域にわたって合同野外機動訓練を拡大する。

 これに対し、北朝鮮の朝鮮中央通信は10日朝、合同軍事演習について「物理的衝突を誘発しかねない危険きわまりない挑発的妄動だ」などと非難する外務省報道局の談話を配信した。韓国軍によると、10日午後には、南西部・黄海北道の黄州付近から黄海に向けて弾道ミサイル数発を発射した。

 北朝鮮側には、演習に反発する姿勢を見せつつも、射程の短いミサイルで抑制的に挑発することで、米側の反応を探る狙いがあるとみられる。

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