石川県内で昨年1年間に落とし物として警察に届けられた件数は15万9935件で、4年ぶりに減少したと県警が発表した。担当者は「昨年3月の北陸新幹線の敦賀延伸が影響しているかもしれない」と話す。
県警によると、落とし物の拾得届はコロナ禍が始まった2020年に大きく落ち込んだが、以降は増加。23年は16万9242件で、改正遺失物法が施行された07年以降で最多だったが、昨年は前年から5・5%減少した。
会計課によると、特に大きく減ったのが、JR金沢駅を管轄する金沢東署への届け出。約3万1千件で、前年の約5万3千件から約4割減少した。北陸新幹線の敦賀延伸で、金沢駅が終着となる電車の本数が大きく減った影響とみている。
また、落とし物として警察に届けられた現金は、計約1億7459万円にのぼり、前年(計約1億6213万円)に比べて7・7%増加した。100万円以上は計9件。最高額は約140万円で、落とし主に無事返還されたという。
現金を除く20万7714点では、証明書類・カード類・有価証券類が37%(7万6777点)を占めた。同課の担当者は、「落とした財布やカードは悪用されるおそれもある。落とさないように気をつけて」と呼びかける。遺失物の登録や照会はインターネットでもできるといい、「利便性が向上しているので、ぜひ利用してほしい」と話した。
落とし主による遺失届は2万9965件で、前年(3万2476件)から7・7%減少した。一方で、奥能登4市町を管轄する珠洲と輪島の2署では計1424件で、前年(計1223件)と比べて16.4%増えた。能登半島地震や奥能登豪雨の被災が影響した可能性があるという。