若い世代の考え方を行政に採り入れようと、香川県はこのほど、香川大学の学生が県職員に政策提言する催しを県庁で開いた。学生の柔軟な発想から生まれた提案について、関係する課の職員が講評した。
租税法を専門とする香川大法学部の青木丈教授のゼミと県の税務課が2018年度から続ける連携事業の一つ。これまでは税務課に対しての提言のみだったが、今回初めて幅広い行政課題をテーマにした。
催しのあった2月14日は「高松市内の地下横断歩道の問題点」「香川大学周辺の喫煙問題」「男木島における災害対策」の三つのテーマについて政策提言した。
ゼミに所属する大学3年生の17人は、今年4月から、実地調査や、総務省の出先機関である四国行政評価支局からもアドバイスを受けるなどして準備をしてきた。
地下横断歩道をテーマにした発表では、学生らが通学やアルバイトの際に、自転車を利用するなかで問題意識を持ったことを説明。市内の地下横断歩道の利用者数や周辺の横断歩道の数を実際に数えた上で、防犯や通行の安全性の観点から「夜間封鎖」「防犯ベルの認知度向上」「地下道出入り口のスロープ改装」を提言した。
担当のくらし安全安心課の職員は「一般の方の視点で、私たちが仕事をしている時には気がつかないヒントがあった。関係者と情報共有して防犯対策の参考にしたい」と講評した。
青木ゼミに所属する学生の9割以上は公務員志望。終了後、地方自治体職員を志望する安藤佑真さん(22)は「これからも地元で生活しながら、色々なところにある問題を見つける目線を持ち続けたい」と話した。