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法務省=東京都千代田区

 出入国在留管理庁は14日、昨年6月以降の約7カ月間に、難民認定の申請中だった17人を強制送還したと発表した。難民申請中の送還を可能にする改正入管難民法の規定が、昨年6月10日に施行されたことに伴う措置で、この規定に基づく強制送還が明らかになるのは初めて。17人の国籍などの属性は「個人の特定につながりかねない」として非公表とした。

 従来、難民申請中は強制送還を一律に停止する規定があった。2023年の通常国会で、3回目以降の申請者については、難民と認定すべき「相当の理由」を示す資料を出した場合を除いて送還できるようにする改正入管法が成立した。

 国会審議で政府は、送還を回避するために難民申請を繰り返す例があると説明。これに対し、日本では難民認定の基準が厳しすぎるとして、「保護すべき人まで送還されかねない」と危惧する声があがっていた。

 入管庁の担当者は「送還できない事情の有無を把握しつつ、順次送還している」と説明。送還の方針を決めた後に対象者側から提出された資料に基づき、送還計画を停止したケースも1件あったという。強制退去処分が決まったケースで、3回目以降の難民認定を申請している人の数は把握していないとしている。

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