「公安調査庁だ。早く扉を開けなさい」
24年9月下旬の朝、埼玉県越谷市の住宅街に、公安調査庁の職員14人が集まった。オウム真理教の後継団体「アレフ」の活動拠点のマンションに、団体規制法に基づく立ち入り検査をするためだ。
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表札はなく、全ての部屋のカーテンが閉められている。職員が拡声機で何度も呼びかけると、約20分後にエントランスからマスク姿の女性4人が現れた。
職員らは中に入り、検査を実施。公安調査庁によると、この日、オウムの教祖・松本智津夫(麻原彰晃)・元死刑囚の写真や、説法を収録した教材などを多数確認したという。
宗教法人法に基づく解散命令を受けたオウム真理教は分派し、現在は主にアレフを含む三つの後継・派生団体が活動している。公安調査庁によると、信者数は計約1600人で、15都道府県の計30カ所に活動拠点がある。
公安調査庁は団体規制法に基…