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慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」副代表の河田純一さん=東京都内

 医療費が高額になったときに、患者が負担する金額に上限を設ける高額療養費制度。その患者負担を今年8月から引き上げる方針を政府が示していましたが、強い不安の声を受けて見送りが表明されました。今後の議論には何が必要なのか。慢性骨髄性白血病の当事者で、患者会の副代表を務める河田純一さんに聞きました。

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 大学生だった22歳の時に、慢性骨髄性白血病と診断されました。

 命に関わる病気ですが、医学の進歩によって、薬で進行を抑えられます。ただ、とても高額で、私も当時、薬代だけで毎月十数万円を超えました。

 もちろん、高額療養費制度の対象ですが、親が引き出してくれた多額のお金を持って薬局に行くのがつらく、医師に「治療をやめたい」と相談したこともあります。

 思うように働けないつらさもあって、数年間はうつ病に苦しみました。その中で慢性骨髄性白血病患者・家族の会「いずみの会」と出会い、いまは大学研究員の傍ら、副代表を務めています。

議論することには異論ないが

 私の場合はいま、薬の服用を…

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