岡山県教育委員会は、生徒数減少で統合再編整備の対象となっている真庭高(真庭市)と笠岡工高(笠岡市)について、再編時の学校の組み合わせなどを示したアクションプランを策定した。真庭高は勝山高(真庭市)と、笠岡工高は笠岡高(笠岡市)と笠岡商高(同)との統合を検討する。統合した場合、真庭、笠岡両市とも市内の県立高が1校になる。
県教委が14日に発表した。新年度に、対象校や地元自治体などからなるプロジェクトチームを設置する。再編してできた学校は、各校の持ち味を残しつつ、多様な進路希望に応えられるよう複数の学科がある学校とする。プロジェクトチームでは、規模や設置場所、開校年度なども検討する。
検討の期限は設けられていないが、過去の再編では検討着手から開校までに3年程度を要している。再編校が開校するまでは、引き続き現在の高校ごとに募集し、生徒は入学した学校で卒業する。
真庭高の統合相手校となる勝山高については、勝山高から約40キロ離れた同高蒜山校地も統合再編の対象となる。プランでは一つの学校が2カ所以上にわかれる「複数校地」や地元中学校と連携した中高一貫教育のあり方についても課題とする。
過疎化や少子化が進む中、一定の教育水準を保つためには、県教委は小規模校の統合再編は避けられないとする。2023年度以降に1年生が100人を下回る状況が2年続けば統合再編の対象とするという基準を設け、真庭高と笠岡工高はその基準に該当した。
真庭高は今年度に複数校地の統合を終えた。勝山高は普通科単科になった初年度で、両校とも新たな体制で歩み出したばかりだ。地元からは統合再編に反対する声が少なくない。
真庭市の太田昇市長はプランを受けてコメントを発表。「県教委と地元自治体が協力して高校の魅力を一層高める努力が必要」と指摘し、県と県教委に「教員配置や財政投資など、前例にとらわれずに設置運営者としての責任を果たすよう強く求める」と注文した。
県教委はプランについて、25日に笠岡市保健センター(定員336人)、27日に落合総合センター(同370人)で説明会を開く。いずれも午後6時半から。申し込み不要。