18日開幕の第97回選抜高校野球大会に出場した明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督(69)は、史上最多の39度目の甲子園出場となる。気の遠くなるような回数だ。初戦で前年覇者、健大高崎(群馬)と対戦するのを前に、インタビューした。
――1991年夏を皮切りに、監督としての甲子園出場が春夏合わせて全国最多となります。
甲子園に一回行けたらいいな、ということで監督になったけど、1回行ったら2回、30回出たら31回目も出たくなる。甲子園とはそういうものだ。
一回も出られない監督もいっぱいいるのに、非常に恵まれた人生や。いつやめても悔いはないぞ。でも自分だけでは来られない。毎回、選手に連れて行ってもらっている。
――「おれが導いてやった」ではないと。
そう。1人じゃなにもできない。監督はひとつの試合でたいてい1、2回はミスをする。それを子どもたちがプレーで取り返してくれる。だから勝てるんだ。
監督の仕事は、スタメンを決めることと、投手の交代時期を考えることが大事、っていうか、ほぼそれだけ。バントする、しない、なんていうのは誰でもわかる。
馬淵監督は、明徳義塾で教頭職のスポーツ局長を務める教育者でもあります。記事の後半では、星稜(石川)の松井秀喜選手を5打席連続で敬遠した1992年の夏について、あらためて聞きました。
――甲子園での通算勝利数は歴代4位の55勝。最も思い出深い試合は。
初めて全国優勝した2002…