昨年元日の能登半島地震の被災地を音楽で励まそうと、全国大会常連の富山県南砺市立福野中と奈良県生駒市立生駒中の吹奏楽部が23日、富山県砺波市文化会館で支援コンサートを開く。能登の中高生も参加し、総勢150人でハーモニーを響かせる。生徒たちは「演奏を楽しんでもらい、被災した人たちを元気にしたい」と話す。
コンサートを主催する両校は、2023年6月の合同練習から交流を深めてきた。
福野中の現部長、クラリネット担当の鷹屋花蓮さん(2年)は生駒中の演奏を「パワーがギラギラ! 楽器を吹いた瞬間、風を感じるほどのすごい音圧」と話す。体幹トレーニングや基礎合奏を教え合い、互いを刺激し、演奏を磨いてきた。
「全日本でも会おう」と誓った言葉通り、全日本吹奏楽コンクールでは生駒中が5大会連続金賞を受賞。福野中は3大会連続出場を果たしている。
顧問の山田誠さん(65)が両校合同のコンサートを検討するなか、生駒中を指揮する山上隆弘さん(62)が支援コンサートにすることを提案した。
山上さんは地震後、演奏の機会ごとに募金箱を置き、支援を呼びかけてきた。義援金に加え、支援物資として打楽器のばちや木管楽器のリードを持って何度も能登を訪れたという。
今回のコンサートには、山上さんが指導に行った石川県輪島市の県立輪島高、市立輪島中の吹奏楽部を招待。富山県砺波市立庄西中とともに友情出演する。山上さんは「みんな、音楽に導かれて仲間になった。奇跡のようなつながりを感じる、貴重な一日になる」と語る。
23日のコンサートは3部構成で、福野中が全日本吹奏楽コンクール課題曲のマーチ「メモリーズ・リフレイン」やステージドリル、生駒中は「オリエント急行」「テンプター」などを演奏。5校の合同演奏もある。会場で募金を集め、輪島高と輪島中の吹奏楽部の活動に生かしてもらうという。
午後1時15分開場、2時開演。中学生以上800円、小学生500円。当日券あり。朝日新聞富山総局後援。問い合わせは福野中(0763・22・2222)。