平面作品に取り組む40歳以下の若手を対象にした「VOCA展2025」が30日まで、東京都台東区の上野の森美術館で開かれている。最高賞のVOCA賞は、宮本華子さん(37)=熊本県荒尾市=の「在る家の日常」が受賞した。
家々が連なったような形のパネルに五つのモニターが埋め込まれている。祖母が訪問介護を受けている様子、電車に乗る人々の足元、犬の散歩……と、日常の何げない光景を映したさまざまな映像が流れていく。
映像を含んだ作品としては初のVOCA賞受賞となった。宮本さんは「受賞は本当にびっくりしたとしか言えない」と話す。
制作のきっかけは、両親よりも長く一緒に暮らした祖父母を見送ったことだった。3年前に祖母が、昨年2月に祖父が亡くなった。
「老いていく姿は見ていてい…