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横浜―市和歌山 一回表、野選で先制点を許した後、マウンドに集まる市和歌山の選手たち=上田潤撮影
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智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

(19日、第97回選抜高校野球大会1回戦 横浜4―2市和歌山)

 市高(市和歌山)の四回、五回の反撃は見事でした。四回の4番川辺謙信選手の左翼線安打、五回の辻丸佑樹選手の適時打など、早いカウントから振っていったことが得点につながりました。横浜のエース奥村頼人投手が出てくる前に、もう1点取っていれば、試合は分からなかった。

 それだけに、前半の消極性が残念でした。市高の良さがなかったように思います。「負けて元々」と思いきっていってほしかった。特に好投手が相手の時は追い込まれたら厳しい。どんどん振っていかないと。

 あとは悔いが残るとしたら八回です。1死一塁からフリーで打たせて二ゴロ併殺打。ヒットエンドランやセーフティーバントなど動いてもよかった。最悪二塁に走者を進めておけば、次は4番川辺選手でしたから。

 市高は伝統的に投手を中心とした守りのチームです。今回の甲子園でも投手と守りは通用する、打撃が課題だとわかったと思います。この経験を夏に生かしてほしいですね。

 横浜は自分のペースで野球をやれていた印象です。ディレード・スチールなどの走塁、継投のタイミング、随所に抜け目がなかったですね。

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