「ブリが高いねえ」「ニンジンの型抜き上手ね。もうプロだわ」。会話しながら下準備しておいた薄切りのかぶらにブリを挟んで仕上げていく。がん患者の交流施設「元ちゃんハウス」(金沢市)で2月、10人が参加し、伝統的な発酵食「かぶらずし」を作っていた。がん患者や家族向けの料理教室だ。
この日はかす汁とごはんを用意し、みんなでテーブルを囲んだ。缶詰のサバを入れたかす汁にはショウガをたっぷりと。「臭みが取れるし、体がぽかぽかするね」。病気について情報交換し、それ以外のこともおしゃべりしあう場になってきた。
教室を立ち上げたのは金沢大学付属病院で栄養指導をしていた管理栄養士の桜井千佳さん。
がん患者の中には治療や薬の…